沖田孝之介

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姓名 沖田孝之介
種族 ヒューマン
性別 男性
身長 162cm
年齢 19歳
プレイヤーネーム tenbin

「因果は巡る糸車。巡り巡って風車」


概要

ジャポネ出身の剣士。古風な喋り方で実直、真面目な男。自他共に厳しい武士だが情には篤く、誰より仲間を大切にする。
幼少期より父、沖田総一郎に鍛えられ剣の腕は一流。然し心身共に未熟な面も多く、当人もそれを誰より自覚しており、修行の為にアークスへ志願した。
修行の為、強く成る為にアークスとなったが為に、強く成る機があるならば見過さず、如何なる困難にも進んで身を投じる。
只管に真直ぐな男と称される事が多々あり、事実として思った事をそのまま口にし、行動する事もしばしば。余り嘘も吐けない正直な性格。
若輩と云う経験の浅さから、思い悩み立ち止まる事も多い。それでも己が信じ、見据える明日の為に諦める事無く足掻き続ける精神力を持つ。
故に己の信じる正義=士道もまた迷いなく、真直ぐに遂行する。その為ならば人を斬る事すら厭わず、実際にジャポネでは幾人もの命を殺めている。
彼にとっての正義とは他人に与えられた脆弱なる盾ではなく、寧ろ己の意志と云う剛毅なる剱と云って良い。
即ち、正義を言い訳にして人を殺す、正義と云う盾に隠れ殺すのではなく、あくまでも己の意志で人を殺し、己の意志で人を守る。
己の意志を貫く為ならば、例え友であれ主君であれ、立ち塞がる者は斬って捨てる。彼らが道を違えたならば躊躇なく殺す。孝之介にとっての正義とは、何処までも自発的意志に過ぎない。
そうした思考、経験もあり、人の死には疾うに慣れ切っており、人が人である以上、矛盾も闘争も避けられず、闘争とは生きる事そのものであると云う想いも持つ。
守るべき者を守りたいと思考し、故に真に仲間と決めた者を強く想い、信じ抜き、誰より大切にする。真なる仲間の為ならば己の危険すら厭わず、敵を、そして友すら殺す事もまた然り。
歪んだようで、然し何処までも愚直なる正義を秘めた、正真正銘の武士である。

過去、そして信念

初めて人を斬ったのは十三の夏。父に連れられ、他の町へ出稽古に出向く途中のこと。野盗の襲撃に遭い、父の役に立たんが為に、死物狂いで共に戦い、殺した。
怖かった。だが此の為に剣の修行を続けていたのだから、人を殺めたこと事態は、思ったよりも平気だった。父は何も言わなかった。
悪党を斬った事が、真剣で立合った事が、ある種の自信へと繋がった。出稽古の際、竹刀木刀での試合にて、同年代どころか大人すら打倒したのだ。
俺は悪党を斬った。俺は強くなった。もっと強く、もっと父母の役に立つ為にと、孝之介は心中にて再び真剣での立合いを望んでいた。
そしてそれは実現する。ある日の夜、ひとりの少女が男に襲われていた。男の様子は常軌を逸しており、何を言った所でまともな反応は無い。
おのれ悪党。孝之介は少女を救うため、無我夢中で男に挑んだ。男は手強く、全身に手傷を負い乍ら、それでも屈せず、遂に殺した。
孝之介の心は歓喜に溢れた。悪党を殺し、少女を救った。これ以上の事は無い。
だが後で父に知らされた。その男はダーカーに汚染された一般人であった。確かに殺さねばならぬ存在ではあったが、決して悪党ではなかった。
同時に、嘗て殺した野盗達ですら、元はただの農民であった事も知った。汚染によって村が滅び、盗賊稼業に身を窶した、善良なる者達だったと。
孝之介は愕然とした。父のように強くなり、世の悪党を成敗し、弱き人々をこの手で守る。それが孝之介の目標であり夢だった。
だが己が斬ったのは、どちらも真なる悪党などではなく、守るべき弱者だったのだ。
父は孝之介に問うた。お前は何の為に人を斬る。それがわかるまで、剣を持つ事は無論、稽古の一切をも禁ずる。
悩み苦しみ、考え抜いても答えは出ない。己はただの殺人鬼なのか。ただ剣を振い、人を殺し、強くなる事だけを望む畜生なのか。
そんなある時、孝之介の下へ件の少女が現れた。孝之介に命救われた者である。
苦しいのなら、今度は自分が助けになりたい。そう語り掛ける少女へ、孝之介は事情を話した。
すると少女は言った。悩むことは無い。お前のお陰で自分は生きているのだから、それを誇ればいい。
確かにお前は人の命を奪った。だが同時に、人の命を救ったのだから、それを忘れてはならない。そのありのまま、どちらも受け止めればいい。
少女の言葉は孝之介の胸へと響いた。殺したと同時に救っていたその事実を、孝之介は忘れていた。
そして思い出す。自分が剣を学んだ最初の動機を。父のように強くなり、弱き人々を守れるようになりたいと。
だが弱者を守るために弱者を斬捨てる。本末転倒なその現実を、如何にして受止めれば良いのか。
全てはお前が決めること。少女はそう言い残して何処へと去っていく。
孝之介は考えた。幾日も幾日も考えた。その末に、結論へと至る。
孝之介にとって剣の道とは人を活かす活人剣。ただ殺すだけではない、活かす為に剣を振い、その為ならば人をも斬る。
ならば人を活かす為に斬る人とは誰か。弱者を守る為に斬らねばならぬ人とは誰か。人の道を違えた悪である。守るべき者達へ牙を剥く畜生である。
例え相手が弱者であれ、友であれ、主君であれ、道を違えてしまったならば、悪行へ手を染めてしまったならば、それは斬らねばならぬ悪であり畜生である。

ならば悪行とは何か。
私利私欲の為に、守るべき者達へ害を為す行いである。
強き者だけが嗤い、弱き者には涙しか残らぬ行いである。
人の道に悖る行いである。

人は矛盾した生き物である。弱きであり強きであり、強きであり弱きである。人であり畜生であり悪である。
故に我も人であり畜生であり悪である。守るべき者を手に掛ける事もあろう。悪党、悪党と怨まれ憎まれ疎まれる事も多々あろう。
それでもなお、己は人である。己を人たらしめる覚悟を抱く。
己の道を信じ抜き、己の想いを貫き通し、誰でもない己の意志で人を斬る。それこそ己の正義であり、己の歩む剣の道である。
想いは何も変わっていない。弱きを助け強きを挫く。大切な人々を守る為、悪を討つ一振りの剱と成らん。
孝之介は父に思いの丈を曝け出した。何もかも全てをひっくるめて、私はひとりのもののふに御座います。
守るべき者達を守り抜き、つわものとして戦の果てに死ぬるのならば本望。
所詮は我欲。故に己の意志であり、己が望んで行うこと。己にとって正しき義。人はそれを正義と云う。
傲慢で身勝手なその正義を、何処までも愚直なその想いを、父は認めた。
そして数年後、孝之介は元服の後、父の勧めもありジャポネの都へと移り住み、都の守護を目的とした武装組織「神撰組」へ入隊。
都を警邏し、悪党を取り締まり、時に違反を犯した仲間すら粛清する。苛烈極る世界に於いて、孝之介の剣腕、そして信ずる正義は研ぎ澄まされていく。
四年後、十九と成った孝之介はより一層の高みを目指し、更なる正義を貫く為、アークスへと入隊する事となる。

嘗てのトラウマ

十五歳、それは即ちジャポネ男児が一人前の男となる元服の時。
祝いと景気付けを兼ね、孝之介と彼を含む七人の同輩は、喜び勇んで遊郭、吉原へと出向いた。目的は無論、女子である。
然し若気の至りが過ぎ、酒に踊りと興に耽った彼らの身銭は、気付けば遊女を抱くだけの量を失くしていた。
情けなくも此処で帰っては男が廃る。一同は決心し、最も安値な女郎、河岸女郎を抱く事にした。
だが其処に待ち受けていたのは、女体が創造する甘き極楽などではなく、凄烈なる地獄だった。
二人並んでは通れぬ程の狭き道。其処に面した座敷牢の如き長屋に、河岸女郎達は潜んでいる。
元より安銭の女達。好き好んで抱きたがる男もまた、たかが知れているというもの。
彼女達は、通りがかる男を見れば、力づくで引き摺り込むのだ。袖を掴み、身体を掴み、無理矢理に引寄せ、牢へと招き、そして抱かれる。
誰が呼んだか、鬼女の犇めく羅生門河岸……女郎達を羅生門に潜む鬼、茨木童子に喩えた事から、付けられた呼び名である。
七人は皆、一様に恐怖した。狭き道の只中で、無我夢中に迫る細腕を振り払い、辛うじて脱出に成功したのは、孝之介ともうひとりのみ。
引き摺り込まれた五人のうち、後に二人が死亡した。梅毒である。
生き残った三人の話に依れば、女郎達は皆が皆、化生に塗れた年増であったが、それでも美しかったという。
然し、後に孝之介は吉原に棲むとある老人より、真実を聞かされる事となる。
三人は女郎達を二十半ば、行って三十程度と認識し、その上で抱いた。
だが老人は語る。彼女らは全員、五十を過ぎている。生活の為、男の為、快楽の為、そんな歳になって尚、男を喰らい続けている、何処までも業深き女達。
女にとっての美の種とは、即ち男。男を喰らうことで、その精気を奪い取り、若さと美貌を保っているのだ。
其処にいるのは女であって女ではない。美しき皮を被った化物達。
所詮男は女のくいもの。故に、吉原者は皆美しい。男を喰らうが故に、美しい。
吉原は女の極楽で、男の地獄であると、孝之介は真に理解した。
そして以来、女を抱けぬ身となった。抱こうとすれば、己は喰らわれているのだと、化物の腹へ向かっているのだと、否が応にも此の出来事が脳裏に浮かび、恐怖するのだ。

だが、此のトラウマも今となっては過去の話。
後に妻となるとある女子の尽力によって、此の恐怖は払拭されることとなる。

  • 最終更新:2015-06-17 22:53:04

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